ブラジルを目指す青年と空飛ぶ馬の都市インフラ1
昔、大阪の地下を掘ってブラジルを目指した青年がいた。
青年の口癖は
「ブラジルはあとちょっとすぐそこだ!」だった。
彼は来る日も来る日も穴を掘って遠く1万6000キロ離れたブラジルの首都リオデジャネイロを目指す。
10年がたった。
青年の父は家族をのこして死んでしまった。
その時青年は大阪の地下157mのところにいた。
青年には歳の離れた兄貴があった。
兄貴が穴に向かって叫ぶとに弟の返事が帰ってくる。
「親父が死んだー!あがってこーい!」
「ブラジルはまだか!?親父にブラジルを見せたいんだ!」
「ブラジルはもういい。頼むから親父の最期を看取ってくれよ」
父の死をもっても穴を掘る弟が理解できない。
しかし兄には青年を見限る覚悟はできなかった。
昔は弟と2人で地球儀をクルクルまわして世界一周なんて言っていた。
中国を侵略してロシアを目指そうという計画を立てていた。それは現実に起こりそうだけど。
今は未来都市を計画する仕事に満足しているし、家庭もある。
近い将来、馬が飛ぶようになるらしい。
馬が飛ぶようになれば車は走らなくなるるだろう。
なんたって俺が空飛ぶ馬のための新しい都市インフラの設計をしなくちゃならんのだ。
続くかも